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TW3「エンドブレイカー!」内PC関係の雑記。

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ライラックの花ひとつ。 花びらの数を確認すると、 本を読む傍らに口に放り込む。 視線だけで文章を辿り、 飴のように舌先で転がす。 指についた砂糖を舐めて、布巾で拭うと次のページ。 ラッキーライラック。 五枚の花びら、その名称だけで大体の予想はつくが、 噂や逸話は真相を調べている間が一番楽しい。 図書館で借りていた花の本のページを捲り花の名前を探り出す。 見つからなければ次の本。 太陽や月の傾きなんて知ったことじゃない。 気になった以上知るまで調べる。

現在見つけたラッキーライラックの砂糖漬け、1個。 一缶の中でと考えればよく見つかったものだと思う。 そう言えば本を借りにいく道すがら、四葉のクローバーも見つけた。 今日の僕は運がいい。 幼い頃を思い出して、摘んで小さなガラスに綴じてもらってきた。 こういうとき、こういうことができる知人がいるのは助かる。 鞄の飾りになるように紐もつけてもらったし、 誰かにこの幸福を分けてあげようかとポーチの中。 ぱらりと捲る。 かれこれ五冊目、花言葉の本。 花の辞典や子供向けのおまじないの本にはなかったから、 こういうのにも載ってはいないだろうと諦めながらもライラックの項目に。 「ライラック――花言葉は」 『友情』『初恋』 そんな二つの単語を見て、ため息混じりに砂糖漬けに手を伸ばす。 が、手を止める。 文を追っていくとようやく探していた単語を見つけ出した。 ――何も言わずに飲み込んだら、愛する人が永遠に心変わりをしない。 時間が止まる。 無言で食べれば。とその一文を見つめていた。 そう言えば、昨日食べさせられたのは何枚の花弁がついていただろうか。 五枚だったとしたならば、あいつは知ってた上で僕に食べさせたんだろうか。 目を細め、片隅に描かれている五枚の花弁のライラックを見る。 (――永遠に、か) そうなったら、どれだけあいつを不幸にすることか。 缶の中からひとつ、花をつまみ上げる。 花びらの数も数えずに、僕はそれを飲み込んだ。 ※ラッキーライラックの数=12面ダイスで5が出た回数です。  試しに30回ほどやってみたところ、2回出ました。妥当な数。
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