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TW3「エンドブレイカー!」内PC関係の雑記。

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物語はひと月前に巻き戻る。
可愛く愛おしい新妻が、新婚2カ月でいきなり都市国家探しの旅へと出掛けてしまったその後、
愛の巣にひとり(正確には庭師の老人も含めて二人)残されてしまってからどうなったのか。


これは、本人にとっては至極壮絶な日々の記録である。




[一日目]

北都中心部からかつては2日かけて移動していたはずのその町も、
街道の整備や駅馬車の運行開始によって行き来しやすくなり、
片道は半日もかからず、御者によっては3時間程度で着くほどだ。
随分と移動が楽になったものだ。

今日もアーサーは馴染みの馬車を見つけ、ゆったりと帰路についた。
行きに比べて緩やかな馬車の揺れに眠気を感じながらも、
睡魔に負けぬようにと外を見遣り、最近の出来事を思い巡らせる。
エレインの婚約者が決まり、カメロット復興もようやく軌道に乗り始めた。
仕事も順調、各都市に存在する遺跡や放置領域の調査や管理を進める彼らの活動は、
興味を示した支援者や協力者を日々増やしており、順風満帆といったところだ。
順調故の不安というものも一抹あるが、それも魚の小骨程度のもの。
ひとつ、またひとつ心配事が消えていくたびに、
両親の墓前へと供える言葉と花が増えて行った。

(ラッドシティの姉さんもうまくやっているようだし、
 次の厄介事はエレインの結婚式くらいか……あいつも結婚するのか……)

脳が果てしなく平和ボケしており、「将来の夢はお嫁さん」だったあの娘が、
本当に嫁に行く日が来るのかと思えば感慨もひとしおというものだ。
ふう、と大きく息を吐き出す。

そこで馬車が大きく揺れ、止まった。窓の外を見れば町の入口が街灯に照らされている。
アーサーは御者に駄賃を支払うと鞄を片手に町の正面門をくぐった。
そのまま町を抜け、小川を渡って森へと至れば、人の手により整えられた森の道を進む。
ドロースピカの星明りの下、暫く道に沿って歩けば見えてくる愛しい我が家。
小さな鉄門を押し開いて、飛び石の道を辿って扉の前へと。
帰宅を知らせる合図としてベルを2回鳴らしてから扉を開ければ
愛おしい妻が自分の帰宅に合わせて玄関まで出迎えてくれる。

「ただいま、」

彼女の名を呼ぼうとして、扉の先の暗い室内を見て、夕飯の匂いがないことに気付き、
その愛おしい妻が都市探索の旅に出てしまったことを思い出す。
出かける彼女を見送り、その後仕事に出て、昼食を食べる段階までは覚えていた。
が、仕事を終えて家路についた瞬間、ふっとそれらは彼の脳裏から消え去っていた。
帰路の安心感からの失念、アーサーは人気のない屋敷の入り口で呆然と立っている。

(そうだった、暫くは僕ひとりだったんだ)

家に帰った瞬間、屋敷が暗いだけでこうも寂しい気持ちになろうものとは。
人のいる場所へ帰ることに慣れきっていたアーサーにどうしようもない虚無感が飛来していた。
既に庭師の老人も息子夫婦のいる待ちの自宅へと帰ってしまっている。
今から旅団に向かったところで、また別の侘しさを感じてしまうだろう。
このまま明かりがつかないままの室内を見ているだけでも何も始まらない。
アーサーは重々しく息を吐き出すと自分で部屋の灯りをつけて回り、
余りもので夕食を済ませ、一人寂しく夜を過ごした。


※もうすぐポーちゃん帰ってくるよ、やったね記念。お留守番戦記。
一回保存したと思ったらまったく保存できてなくて泣きかけながら打ち直す朝。
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