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TW3「エンドブレイカー!」内PC関係の雑記。

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「ガーディアン、作んないの?」

そう聞かれたことがある。




普段は屋根の上を飛び回る、猫のような少女が隣にいる。
投げだした足にはすでに何羽かの鳥が鎮座しており、
頭の上には彼女の相棒たる鷹のスピリットが僕を睨む。
初対面で「私の鳥力は53万です」と言っただけのことはある。
(そもそも鳥力という言葉を教えてくれたのは彼女だ)

いつの日も考えの読めないルビー色の瞳で青い空を見る少女。
そういう彼女もマスターを守ると意気込むれっきとしたガーディアンだ。
話によれば、守りたいと思ったその瞬間にはルーツを変えて
相手のところにガーディアンになると言いきっていたそうだ。
押し掛け女房ならぬ押し掛けガーディアンだと笑っていた。
素直にすごいと思った。
小説の中でしかしないようなことを平然とやってのけるなんて、
よほどの馬鹿か無知か、純粋な奴なんだろうと思った。
そんな少女が、僕に向かって問うのだ。

「で、で、どう?アーサー。ガーディアン候補さん、いる?」
「いないな」

短く返す。
嘘をついても仕方がない。本当にいないんだ。
むしろ、僕を守るなんて言う稀有な存在がいるなら見てみたい。

「もーったいない。ガーディアンとマスターの関係はロマンだよ」
「別にそんなロマン追い求める必要もないからな」
「そうなの?んー、にしても、もったいなーい」

少女はそう言いながらも足に群れる鳥たちにパンを与える。
擦り寄ってきた1羽を優しく撫でてやると彼女はわずかに笑む。
感情は豊かだが、表情が乏しいらしい彼女はめったに笑わないそうだ。
鳥の前だけ、というのなら僕も似たようなものだ。
ただ僕の場合は、どんなに嬉しくてもそれを表面に出すことが苦手だ。

本当の感情だけはいつだって胸の奥の奥にしまい込む。

その場にいるのが少しだけ辛いと感じ、用事があると言って僕はその場を去る。
彼女はそれを聞いて「いってらっしゃい」と一言返してまた鳥と戯れる。
彼女は子供だ。とても純粋で素直な子供だ。
だから失うことすら恐れずに誰かを守ろうとすることができるのだろうか。

(ガーディアン、作んないの?)

言葉が脳裏に浮かびあがる。
作るつもりはない。作ってしまうと、僕が弱くなる気がする。



……それ以上に、
僕を守るなんて馬鹿な事をしてそいつを失う方が数倍怖い。
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