■待ち合わせは樹の下で
冬の近い穏やかな晴天の午後、アーサーは時間より3時間早くラッドシティについていた。
今日の為、いろいろと準備を進めてきていた彼は最後の仕上げに入っていた。
秘密基地の整備、店への事前連絡、頼んでいたものを受け取って、古恋る鳥へ。
時折人が出入りしている事もあるためかほこりの被っていない階段を上ると以前の自室で着替えを済ませる。
今日は決戦再戦日、もといデート。
最初は多少こぎれいな格好でもしようかと思っていたが、
下手にめかし込むと浮いてしまうような気がして結局は何時も通りのシャツにそでを通す。
約束の30分前、荷物の支度が整ったところで外から何かが聞こえてきた。
聞き馴染んだ鈴の声が、ぽつぽつと歌を紡いでいる。
最初、歌声に聴き惚れて目を細めていたアーサーだったが、ふと我に返り、
焦りながら荷物を手にとって部屋を飛び出し庭に出る。
樹の上で暇そうに足をぶらつかせていた少女を確認すると、一声。
「す、すまない!待ったか?」
「んー?別に」
そっけない返事を樹の上から投げると、ポーシアがひらりと軽やかに樹から飛び降りる。
寒さ対策にかいつもより少し厚着ではあるが、普段とほとんど変りない彼女の姿。
どこか安心したような少し残念だったような……そんな感覚の中、アーサーは彼女に手を差し伸ばす。
「行こうか」
「うん、行こう」
別段表情を変えることなく、ポーシアはその手を取った。
二人がまず向かったのは古恋る鳥から少しばかり歩いたところにある街。
休日の昼間、活気あふれる街には陽気な声が飛び交っていた。
ラッドシティを本拠地として活動していた時期には世話になった店も多く、
見知った顔が茶化すように話しかけてくる。
それらを曖昧にかわして歩くポーシアは隣を歩く男を横目に見上げ、ふと脳裏に疑問を浮かべた。
今回の「デート」、アーサーの秘密基地に行く事は知らされていたのだが、
そこに行くまでにどこかに寄るのかはなにも聞かされてないのだ。
「で、まずはどこ行くの?」
「ああ、まずは僕の馴染みの店だ」
ポーシアが訝しげにアーサーを見つめると、それに小さく笑って返す。
「着けばわかる」と一言告げて、アーサーは彼女の手を引き、一歩先を歩いた。
歩くこと数分、噴水広場に面した煉瓦造りの可愛らしい店の前で足を止める。
アーサーは『close』の札が下げられた扉にノックを2回、
すると曇りガラスの先にぼんやりと影が現れ、鍵をあける音が聞こえる。
ベルの音と共に扉が開くと、白い服の青年が温和な笑みを浮かべて立っていた。
「いらっしゃい。連絡通り2名様だな」
「悪いな。時間より少し早かった」
「悪い事じゃないさ。時間前行動は良い事だ」
そう笑って、青年は店の中へと彼らを招きいれ、店の札を『open』へと変えた。
内装はどこにでもありそうな喫茶店と変わらず、ショーケースには可愛らしいケーキの数々。
色取り取りに並べられた菓子類にポーシアが目を輝かせると、
隣でアーサーは「またあとでゆっくり見ればいいさ」と足を止めていた彼女に笑いかける。
青年はカウンターの奥、木製の扉を丁寧に押し開ければ、その先は喫茶スペース。
猫足のテーブルと椅子が並ぶ室内には所々に観葉植物が置かれ、どこか温かみのある空間。
ポーシアは自分一人では決して入らないであろう未知の空間を静かに、好奇心に満ちた目で観察していた。
青年が二人を案内したのは一番奥の窓際の席。
テーブルにメニューとナプキン、グラスに入った水を置くと、青年は椅子を引いて二人がそれぞれ席に着くのを待つ。
ポーシアが席に着くのを確認するとアーサーも座り、鞄の中から赤い包みを取り出し中の物を見せる。
それを確認すると「お決まりになりましたらベルでお呼びを」と彼は去っていく。
一連のやり取りを不思議そうに眺めていたポーシアは、青年が部屋を出ていくやいなやアーサーに小声で問いかける。
「お店、閉まってたよね?大丈夫?」
「ん?ああ、いつもなんだ。休みの日は客が来るまで閉めてるんだって」
「……それって、下手すると一日中人来ない人かあるんじゃ」
「ああ、そういう日は一日新作ケーキの開発やってるんだと」
メニューを開いてポーシアに渡すと、アーサーも自分のケーキを選び始める。
さすがアーサーの知り合い、妙な人が多いやと謎の理論で納得するポーシアも渡されたメニューに並ぶ品名と解説を前に口を噤む。
わからない。
どれがどのケーキなのか、まったくわからない。
この手の雰囲気の店によくある傾向なのか、品物の名前から実際の品を想像できない。
『白の森』だの『グランシェ』だの『ドゥ・ミール』だの『悪魔のぼったくり』だの、
言葉だけ並べられても頭の中でそれが美味く形にならないのだ。
そして、想像を放棄した少女はすでに決めたのかメニューを閉じている青年に上目遣いで助けを呼ぶ。
「アーサー、アーサー」
「ん?」
「どれがどれだかわかんない、選んで」
ベリー系の、キラキラしてるのが良い。
飲み物は任せる、そう言ってメニューを閉じると、ポーシアはじっとアーサーの返答を待つ。
その様子が微笑ましくて、小さく笑い返すと彼はメニューを見直して、
「なら、『ウェンデルの秘宝』にしよう」とベルを鳴らした。
ほぼ間をおかずにやって来た青年がペンと紙を手にテーブルの傍らに立つと、
「ウェンデルの秘宝のティーセットと、ノルンのティーセット、茶葉はいつものでカップは任せる」
と呪文のような言葉をさらっと言って、以上だ、と注文を終えてしまう。
青年は書き留めた紙とペンをサロンのポケットに入れるとメニューを回収し、一礼の後にまた部屋を出て行った。
これ又不思議そうにポーシアが首を傾げる。
「ねえ、もしかしてあの人一人でお店の事やってる?」
「普段はあと2、3人はいるぞ。店長含めて」
「え、あの人店長じゃないの?」
「いや、ディー……あいつはただのパティシエだ。ただ、長らくこの店で働いてるから店長も信頼されててな、休日の店は任されてるんだと」
「へぇ……」
頬杖をついて、ポーシアはアーサーに暇つぶしの問いかけを続ける。
「そういえばさ、席に着いてすぐに何か見せてたけど、あれ何?」
「あれか?ここの常連に配られてる物だ。ちょっと特別なメニューも頼めるようになる」
「へぇー……ね、見せてよそれ」
「ん?ああ、いいぞ」
アーサーは鞄の中から先程店員に見せた赤い包みを取り出す。
中を開くと、繊細な装飾が施された銀色のティースプーンが一本寝かされていた。
店の常連になるとこのスプーンが渡され、カップの種類を選べたり、特別なメニューや予約の優先権が得られる、と丁寧に説明される。
その後もポーシアにどれくらい通いこんでいたのかだとか、店であった出来事などを次々と問われ、アーサーはそれら全てに返していく。
平和な会話の間に紅茶とカップが運ばれた。
可愛らしい赤とオレンジの花が描かれたカップがポーシアに、青い花の描かれたカップがアーサーの前に置かれ、青年によってポットの紅茶が丁寧に注がれる。
アーサーが「いつもの」と頼んだものはどうやらこの店の店頭特殊ブレンドらしく、
通常アーサーが淹れるものとは少しばかり香りが異なるものだった。
次にやって来たのはポーシアのケーキだ。
少々小さめのイチゴとラズベリー、ブルーベリーを使ったタルト。
願望通り、コーティングされたジャムによってキラキラしているそれをポーシアはそわそわと見つめている。
彼女の様子を見ていたアーサーはその微笑ましさに頬を緩めて笑みを向けていたが、気付かれた彼女の威嚇により顔をそむける。
そしてアーサーのケーキ。
やって来たのは白い……山。皿の上に小さな白い山が置かれている。
「ねえ、それ何?」
「ん?モンブラン」
好きなものを前に嬉しさを隠しきれてないアーサーを見て、ポーシアは小さく笑う。
ああ、こいつ本当に子供だ。と言いたげな顔だ。
「栗好きだねぇ」と呟く彼女の内心も知らないアーサーは「ああ」と気持ちいいほど爽やかに答えた。
その後も二人でケーキを食べ、時折微笑ましい視線を感じたポーシアが数回アーサーを威嚇していたが、喧嘩する様子もなく平和に時間が過ぎ去っていった。
■我が儘はご褒美
店を出れば街は夕暮れ、陽に染まる街並みは普段とは違う顔を見せる。
まだ少し時間があるから、とアーサーはポーシアを連れて商業区へと足を運んだ。
通りに沿って立ち並ぶ店は食品を多く取り扱っていた市場と比べ、衣服や装飾品を売る店が多く、中には戦闘用へ改造した物を売る店や、旅団と思わしき店もある。
街外れまで真っ直ぐと伸びる通りを、二人ははぐれないようにと手を繋いで歩く。
しばらくはショーウインドウに立つマネキン達を眺めていたが、はたとポーシアが足を止める。
「どうした?」
「んー……ちょっとね」
気になるものがあったの、と呟く彼女の視線の先には女性物の衣服を取り扱う店。
どうやらポーシアと同じか、少し年下の少女向けの店のようだ。
店先にはいくつかセール品のコートやポンチョが並べられていた。
それらをじっと見つめ、少しばかりの思考時間を経て、アーサーは
また今度で良いや、とその場を離れようとしたポーシアの手をしっかりと握った。
「よし、なら行こう」
「へ?」
「欲しいものがあるだろ?なら買いに行こう」
言い切るとアーサーはポーシアの手を引き、半ば強引に視線の先にあった店に入った。
店内は薄いピンクの壁に木製の白い棚とテーブル、
如何にも女の子向けですといったオーラが漂っていて、
同年代の少女を中心に品定めをする人々で賑わっていた。
入り口から少し横に避けるとアーサーはポーシアに品物の希望を聞く。
ポーシアはなぜだか妙に嬉しそうな男を前に、若干たじろぎながら
「ケープ。軽くて、普段使い出来るものが欲しい」と答える。
それを聞き、まるでフリスビーを投げられた犬のごとく品物を探して持ってきたアーサーは、ポーシアの肩に服を当てながら彼女の反応を伺う。
「これは?」
「……ちょっと重そう。もこもこしすぎてない?」
「こっちはどうかな」
「いや、可愛すぎるでしょ。そんなリボン付きのふりふりしたの普段着られない」
アーサーの持ってくるものを片っ端から切り捨てるポーシア。
最終的には一番無難なデザインのフードつきケープをご購入。
こんなときに限って無駄に頑固なアーサーが支払い、自分の物は自分で持つと頑なに主張され、荷物はポーシアが持つことになった。
店を出て、秘密基地に向かう二人。
上機嫌なアーサーの隣でポーシアはほんの少しだけ、笑っていた。
■秘密基地の会話
日も沈み、空は既に薄暗い青。
街を離れて十数分、場所は既に遺跡群。
灯りはなく、風の音、土を踏み砂利を蹴飛ばす音以外は極めて静穏。
冷え始めた指先を暖めるようにポケットに手を突っ込んで、ポーシアは辺りを見回す。
どれもこれも高い塔のようなものばかりで、彼女には見分けがつかない。
先人達の偉大なる知識の遺産も、彼女にしてみれば「変なの」扱いで終わる。
それも最早数ヶ月前の話。今の彼女の眼には全てが新しく見えていた。
好奇心が満ちあふれて暴走寸前なのをぎりぎり踏み留めている、と言ったところか。
それを知ってかアーサーは彼女の手をしっかりと繋いで離さない。
恐らく手を離したら最後、好奇心の赴くままに走り出し、最終的には迷子になった彼女を探すために残りの時間を費やすことになるだろう。
たとえ慣れた道であったとしても、この娘の事だ、とんでもない所に迷い込むに違いない。
そう脳裏で不安要素の数を数えながら、目的の遺跡に辿り着く。
そこは、埋もれるように存在していた。
瓦礫で塞がれた入口と他の遺跡同様に天井をも突き破る高い塔を持つ、古ぼけた廃墟。
「着いたぞ、ここが言ってた秘密基地」
「へー、へー、なんか他のとこと変わんないように見えるけど、本当にここ?」
きょろきょろと他の遺跡群を見回し、ポーシアが言葉を返す。
アーサーは「本当にここだ」と一言告げると、ポーシアを引っ張って入り口とは別方向に。
壁を伝って歩いて行けば、ひとつ、紋章が描かれた壁が目の前に現れた。
アーサーが手をかざし、ぶつぶつと何かを唱えると紋章は消え、動きそうもなかった壁がひとりでに動き出す。
隣のポーシアの好奇心が最高潮に高まった瞬間でもあった。
「さ、入るぞ。部屋までは一本道だから迷う事はな……」
「うん、わかった、先行くね」
手を離した瞬間に走り出す。
ああ、今まで離してなくてよかった。と心中ほっとしながらも、アーサーは扉を閉めて紋章を張り直す。
ポーシアは薄暗い道を走った。アーサーの言うように真っすぐと続く一本道。
緩い坂道になっている通路を下りて下りて上って上って、先に見える薄い光の帯。
通路のゴールに思いっきり飛び込んだポーシアの目の前には柔らかな光が満ちていた。
花、色取り取りの花が彼女を迎えていた。
種類もわからない花は―中には蕾のまま頭を垂れているものもあったが―月明かりの中誇らしく咲いている。
ふわふわと漂う光の塊は蛍のように点滅しながら、部屋の中、花の合間をくぐりぬけて神秘的。
その光景を息を呑んで見つめていると、後ろからアーサーがようやく追いついてきた。
「……どうだ、結構綺麗だろ」
「うん、綺麗」
物珍しそうに花や、光に触れて、己が好奇心を満たしていくポーシアを横目に、アーサーはいくつかの紋章を描いて室内の環境を調整する。
花が枯れない程度に、人が凍えない程度に、冬の夜の冷たさを和らげると、ポーシアに視線を戻す。
彼女はと言うと、ついさっきまで大事に抱えていたケープの入った紙袋を花壇の側に置き、光の中を舞うように飛び回っている。
花壇から花壇へ、興味が示す方向へ。彼女はくるくると舞っていく。
そんな彼女の視線がふと上空に向いた。瞬間、目を丸くした彼女は鈴の声に驚喜を響かせる。
「アーサー、あれ、もしかして……」
指差したのは、はるか先の天井。
彼女の視線の先には遠く、微かではあるが空が見えていた。それは彼女が普段目にしている天井の擬似空とは異なる、より深い夜闇色。目の良い彼女には小さく煌めく星々の姿も確認できた。
待っていた、と言いたげなアーサーがポーシアに近づくと、悪魔の囁きにも似た誘惑を彼女にそっと告げる。
「『ほんものの』空だ。……なんなら、上まで行くか?」
「行く!」
即答。
浮足立ったポーシアを見て小さく笑みをこぼすと、アーサーは荷物を持って奥の部屋へと案内する。
いくつかの部屋のいくつかの魔法陣を乗り継ぎ、最上階の扉の前。
普段は開放していないそれを開くと、二人の目の前には上層部の、夜の街並みが広がっていた。
僅かに雲のかかった空には目映い星の数々。満月が近いのか月は真珠のように丸く白い。
所々建物や煙突からは紫煙が立ち昇っているが、それすらも景色の一端として美しく見えてしまうほど。
そして、小さなテラス状のそこにもいくつもの花壇があった。
月明かりに照らされて白く、白く光る花。そういう種類の花なのだろう。機械的な遺跡群と合わない自然の神秘がそっと咲いている。
「少しばかり煙たいが、そこは我慢しろよ。これがないとお前も銃が撃てないんだし」
「すごい……本物の空に、街の先の方まで見える」
普段到達しえない高さまでやってきていることからか、感想を漏らすその声も何処か高く、澄んでいる。
ふらふらと歩くも視線ははるか遠く、空と街の境を真っすぐ射抜いていた。
気に入って貰えただろうか、と聞こうとしてアーサーは言葉を飲み込む。彼女の様子から、聞く必要もない物だと感じたのだろう。荷物と共にその場に座る。
アーサーの視線の先、ポーシアは街を、空を、刻みつけるように見つめ続けている。
いつまでも、こうやって彼女を眺めていてもいい。
だが、このままひと月前のように終わらせる事は出来なかった。
彼は鞄から一つの箱を取り出す。ラッピングを敢えて施さなかった箱の中から中身を取り出して、意を決してポーシアに話しかける。
「ポー。……そろそろ、聞いてほしい事があるんだが、良いか?」
身を乗り出して景色を堪能していたポーシアを引きとめる。
彼女は、アーサーの声色に何かを感じ取ったのか、先程まで表に現さなかった警戒の色を微かに強める。
数歩彼女に近づいたところで、彼女に触れそうで触れられない距離で止まり、アーサーは一呼吸。
「なに?」とトーンを落として返すポーシアに、強く力を込めて告げた。
「君の知っている通り、僕は君の事が好きだ」
正直、既にばれているのもどうかと思うが、と内心呟いた後に彼は続ける。
「君が一人の女性として……娘として好きになったんだ」
その言葉に、ポーシアは眉一つ動かさず、相手の言葉を聞き入れる。
『観察している』という表現が一番正しいだろう。今日中、今までずっと観察し続けてきた青年を、彼女は静かに見据える。
夜の景色に相反する対なす曙橙を、彼もまた力を込めて見つめ返す。僅かに顔が火照ってきているのを感じながら、言葉を続けた。
「前に君に言った通り、僕は今まで通り自由であり続けてほしいと願っている。けれど、同じくらいかそれ以上に、他の奴に渡したくない、君のことを独占したいと思っている」
本当の事を言ってしまえば、いつか彼女は自分の前からいなくなってしまうような気がして殺してきた感情を吐き出す。
「どうか、このどうしようもなく駄目な男の恋人になってほしい――君の自由を奪う権利を、僕に」
言葉の終りと共に、手にしたそれを彼女に差し出した。
そっと手を伸ばして受け取ったそれは、青い羽根を模したブローチ。
触れると本物の羽のようにしなやかで柔らかく、付け根には青い石と留め具がついている。
ポーシアはその羽をじっと見つめて、眼前の彼へと視線を戻す。
――ああ、情けないくらいに赤い顔して答えを待っている。
そんな彼に、ふさわしい答えを返さなくては。ポーシアは口を開いた。
「アーサー」
名を呼ぶ声は、本心を包んだ鈴の声。美しく響く声に聞き惚れそうになりつつ、アーサーは彼女に返す。
少しの沈黙、その後、彼女は貰ったブローチを手にしたまま、こう告げた。
「……かくれんぼしよう!」
瞬間で真剣だった彼の顔が崩れる。目を丸く見開いて、「え、なにその返事」と言いそうだ。
ポーシアは先程から変らぬ目で彼を見据えたまま、彼の信条を気にかけることなく続ける。
「私が、この場所から入り口に辿りつくまでに私を見つけて」
捕まえられたら恋人になってあげる。
これが、彼女の答え。
アーサーは色々と言いたくなったが、それらを呑みこんで「良いだろう、意地でも捕まえてやる」と睨みつけると、ポーシアは軽い足取りで荷物を取りに行き、扉の方へと歩んでいく。
「10秒……だと短いかな?60秒数えて。そしたらスタートOKだから」
「――面白い、そんな差も感じさせないくらい早く捕まえにいってやる」
彼と彼女の最終決戦が幕を開いた。
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冒険結果⇒成功?次回に続く!
重傷者⇒アーサー・カメロット(c21426) いろんな意味で心に大火傷を負った。
さて、最終決戦ですが、まさかのゲーム方式での決戦になりそうなので区切っておきます。
私が延々サイコロ振るか、ポーちゃん背後さんとガチでやり合うか考え中です。
最後になりますが、ここまでお付き合いいただき、これからもご迷惑をおかけするポーちゃん背後さん。
申し訳ございませんが最後までアーサーと私・背後にお付き合いくださいますようお願い申し上げます。
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