忍者ブログ
TW3「エンドブレイカー!」内PC関係の雑記。

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


着替えの終わったポーシア・ローシアは疲弊していた。
つい先ほどまで繰り広げられていた着せ替えごっこのこともあるのだが、
あらゆることに対して気を使わなければならない現状に疲れ切っていた。
施された化粧、薄く軽いドレス、紅茶と茶菓子。
ついでに自分を取り囲み「可憐だわ」「愛らしいわ」と盛り上がるメイドたち。
慣れない環境に居続けること――否、慣れない環境から逃げ出せない現状ほど
彼女のGUTSを減らせるものはなかった。

ぶっちゃけると今すぐ服を着替えてどっか行きたい。
ここではないどこか、緑の多い場所がいいな、とポーシアは目を閉じる。
木々が茂った丘。なだらかな緑の稜線。好きなものを思い浮かべて。
ああ、海もいい。泳げないけれど、眺めているのは好き。
そうやって現実逃避を始めた時だった。





ノックが二回。
それにメイドの一人が応じると、しばらく何かを扉越しに話したのちに
豪奢な扉がゆっくりと開いて、人が一人入ってくる。
扉の先からやってきたのは見慣れた青年だった。
だが、その服装は普段のものとは違い、礼装。
緩めてはいるがネクタイを締め、ぴしりと立つ姿は普段「もやし」と呼ぶそれとは違い、
メイドに対する表情もポーシアへと向ける時とは異なる、冷静さを保ったものだ。

瞬間、アーサーがこっちを向き。その瞳が自分を捉えたのに気がついた。
ふわわっっと一瞬、自分の顔が赤くなるのを感じる。
普段ならこの辺で「ポー!」とか言いながら大型犬の如くこっちにやってくるのに、
今日に限ってその場から動かず、じっとこちらを見ている。
改めて見つめなおしてみると、端正な顔立ちだ。
先ほどからメイドたちがひそひそと彼を見て話しているのがよくわかる。
そんな彼の第一声は、

「……ポー」
「は、はいっ!?」

名前。
かけられた声も、普段の呼びかけと比べれば低くて静か。
魔法がかけられたかのように、彼女の背筋もぴんと伸びる。
次いで出てきたのが。

「……今日はその、一段と、綺麗だな」

頬を掻いて視線を逸らした。
頬が赤らんでいることも含め、彼がどういう気持ちでその言葉を口にしたかはわかった。
獣の世界では視線を逸らすことが負けを意味しているのだが、
この場合はどちらが負けに分類されるのだろうか。
そこまで考えて「なんだかとんでもないことを考えた気がする」と瞬時に我に返り、
ポーシアは彼に何か声を掛けるべきかと必死に脳内で台詞を探す。
が、その前にアーサーが口を開いた。

「すまない。適した表現ではなかったか。
 自分の語彙力のなさを改めて実感するが、これ以外に浮かばなかった」
「へっ、あ、いやその……」
「でも、やっぱり綺麗だよ。とても」

そう言って微笑む姿は、他人からはどう見えていたのだろうか。
少なくとも現時点のポーシアには服装と対応の物珍しさが重なったのか、
それとも思わぬ反応に素の声が出てしまったからか、
場の空気に耐えられなくなったのか視線をそらしてしまう。
――駄目だ、なんか話しにくい。
一回ぶん殴ったらいつものアーサーに戻らないかなー、などと
理不尽なことを考えて現実逃避を目論みたくもなる。
その衝動を抑えて、いつもの調子を思い出して、ポーシアは声を低く保つ。

「……で、それ言うためにわざわざここに来たの?」
「ん?……ああ、そうだ忘れてた」

ぽむ、と手をたたくアーサー。
なにが忘れてただ。と思い切り叫びたいのをぐっと堪えるポーシアに、
アーサーは緩めたネクタイを直して手を差し出す。

「人も集まってきたようだしそろそろ会場へ行こうと思ってな」

もう準備はできているだろう?と彼がいつも通りに笑えば、
気持ちが落ち着いて、ふっと、身体から熱が引いていく。
いや、高くなってた体温が平熱に戻っていくような、そんな感覚だ。
それが安心なのだろう、とポーシアは脳裏で静かに分析し、
目の前で嬉しそうに手を伸ばしている大型犬にぎこちなく笑みを作った。

「――ん」

差し出された手に、手を重ねる。



※思い切ってらぶらぶさせてみたらこうなった。駄文な砂糖回。
 他と比べて文章が短めなのは私がらぶらぶ書けないからですorz
 後に冷静さを取り戻したポーちゃんの感想が
「どっからどう見ても乙女だった」というNEXTが見える←
 なお、ポーちゃんの反応については一部お借りしました。と事後報告。

 なお、アーサーの反応ですが、「可愛い」じゃなく「綺麗」だったことに驚き、
 ポーちゃんが「少女」らしいんじゃなく「女性」らしかったことに驚き、
 普段の服装とイメージ違いすぎてなんか変に恥ずかしくなってしまったから。
 要約すると「綺麗という言葉しか思いつかないくらい綺麗だった」からです。



おまけ

「ところでさ、アーサー」
「ん?」
「……はなさないでね」(※ヒールで歩くの大変だから)
「離すつもりはないから安心しろ」(※ときめいた)

後で二人仲良くこけたら可愛い。
PR
Comment
name
title
color
mail
URL
comment
passward   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


蒼空
design&photo by [Aloeswood Shrine / 紅蓮 椿] ■ powerd by [忍者BLOG]
忍者ブログ [PR]
カレンダー
01 2026/02 03
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
フリーエリア
最新コメント
[09/03 ポー]
[09/01 アーサー]
[09/01 ポー]
[07/26 ポー]
[05/27 アーサー(背後)]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
アーサー&エレイン
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター